Lotus Esprit



Esprit S1
ロータスのフラッグシップモデルであるヨーロッパの後継車として、1975年10月のパリ・サロンでデビューした。
スチール製のバックボーン・フレームにFRPボディを載せる基本構造は、ヨーロッパから継承。エクステリア・デザインはジウジアーロが率いる
イタル・デザインによる。直線を基本としたデザインは話題になったが、1972年のトリノ・ショーでイタル・デザインが発表した
コンセプトモデルがベースとなっている。エンジンは、水冷直列4気筒DOHCをミッドに搭載。
これは前年に登場したエリートと同じもので、最高出力160PS/6500rpm、最大トルク23.0kgm/3500rpmを発揮する。
ブレーキは、ロータスとしては初めて4輪ディスクを採用。1976年から1977年に、714台が生産された。



Esprit S2
1978年、よりラクジュアリーな方向へとマイナーチェンジを受けた。エンジンルームの熱対策のために、リアクォーターウインドウの後に
エアインテークが追加されたほか、テールランプがフィアットX1-9用から入手しやすいローバー3500用に変更されるなど、
エクステリアは変わっているが、中身は基本的にS1のまま。1980年に、排気量を2174ccにアップしたS2.2にチェンジした。



Esprit Turbo (Giugiaro Body)
1980年のジュネーブ・ショーで登場。エンジンにターボが装着され、排気量も2174ccにアップし、大幅にパワーアップ。
さらに、シャシーも改良されている。フロントバンパーとエアダccムが大型化、サイドスカートとリアスポイラーも追加された。
ホイールは14インチから15インチにアップしている。最初の100台は、当時のF1のメインスポンサーであった「エセックス」カラーに塗られていた。




Esprit S3
1981年、ターボのボディ/シャシーに、S2.2の自然吸気エンジンを搭載したS3が登場。
ただし、ターボの特徴である大型エアダム、サイドスカート、リアスポイラーは装備されていない。




Esprit HC
1987年10月のロンドン・モーター・フェアで、ロータス社内のデザインによるニューシェイプ・モデルが発表された。
デザインを担当したのは、当時ロータスに在籍していた、ピーター・スティーブンス。彼はその後独立し、マクラーレンF1も手掛けている。
自然吸気エンジン搭載車は、リアゲートがトンネルバックになっている。




Esprit Turbo
ターボモデルも、ニューシェイプ・デザインに変わった。ターボは、キャブレターと
US仕様のインジェクションがあり、リアゲートがグラスハッチになっている。




Esprit TurboSE
1989年に登場した、ターボの高性能版。SEは、スペシャル・エクイップメントの略。水冷式のインタークーラーが追加されたほか、
新型のイーグル・シャシーに変更。フロントスポイラー、サイドスカード、リアウイングが装着され、インテリアはフルレザーになっている。
1991年モデルは、自然吸気モデルがカタログからドロップアウトしたため、名称が単にSEとなった。
最終の1992年モデルでは、ハイウイング仕様となっている。



Esprit Sport300
アメリカのIMSAシリーズGTクラスに参戦したエスプリX180Rをノウハウをフィードバックした、高性能モデル。
エンジンは水冷直列4気筒ながら、ターボチャージャーにより、最高出力304PSを発揮し、最高速度は270km/hを誇る。
エクステリアも、専用パーツが多用されており、64台の限定となっている。



Esprit S4
エスプリは、1993年7月のジュネーブ・ショーで(モデルイヤーとしては1994年モデルから)、ニューシェイプ2へと進化した。
S4は、前後バンパー、サイドスカートなどのデザインが変更された。リアウイングは、ボディエンドからルーフ後端へ移動されている。
エンジンは細部が修正されているほか、エスプリとしては初めてパワーステアリングが装備された。




Esprit S4S
1995年にラインナップに加わった、S4の高性能版。ターボが変更され、最高出力は36PSアップの304PS/7000rpmを発揮する。
これはスポーツ300と同じ数値。サスペンションが強化されているほか、サブフレームもスポーツ350と同じものを追加し、
剛性が向上している。リアウイングは、S4はルーフ後端だったが、ボディエンドへと移動している。



Esprit V8/V8-SE
1996年のジュネーブショーで、水冷V型8気筒DOHCエンジンを搭載するエスプリV8が発表された。
このエンジンはロータス自社製のオールアルミ製で、2基のターボチャージャーが組み込まれている。最高出力355PS/6500rpm、
最大トルク40.8kgm/4000rpmを発揮。1998年に装備を簡素化したV8-GTが登場したのを受けて、V8-SEに名称が変更された。



Esprit GT3
V8の登場によって4気筒モデルのS4/S4Sが消滅するかと思われたが、それを引き継ぐモデルとしてGT3が登場。
排気量はS1と同じ1973ccだが、インタークーラー付ターボチャージャーにより、最高出力243PS/6250rpm、最大トルク30.0kgm/3750rpmを誇る。



Esprit V8GT
1998年、装備を簡素化したV8-GTが登場。車重はV8/V8-SEが1380kgであるのに対し、V8-GTでは1325kgになっている。
レブリミットもV8/V8-SEが7000rpmであるのに対し、V8-GTでは7400rpmに引き上げられている。




Esprit Sport350
メカニズムはV8-GT/V8-SEから変更はないが、コンピュータの修正によりレスポンスが向上。フレームも強化され、
ホイールやカーボン製リアウイングも専用のものとなっている。1999年から2000年はじめまでに、42台がデリバリーされた。



Esprit V8 Anniversary
エスプリの最終モデル。リアのテールランプが、1987年以降使われ続けていたトヨタ・レビン/トレノ用から、エリーゼ用に変更されている。
このアニバーサリーをベースに、生産終了を記念した「ファイナル」が79台生産された。
最後のエスプリは、2004年2月にラインオフ。28年4ヵ月間に、トータル1万675台が生産された。


■Specification
ジウジアーロ・ボディ ニューシェイプ・モデル ニューシェイプ2
S1 S2 Turbo S3 HC Turbo Turbo SE Sports 300 S4 S4S V8/V8-SE/V8-GT GT3 Sports 350 V8 Anniversary
発表年 1975 1978 1980 1981 1987 1987 1989 1992 1993 1995 1996 1997 1999 2002
生産年 1976〜1977 1978〜1980 1980〜1987 1981〜1987 1987〜1990 1987〜1991 1989〜1992 1992〜1994 1993〜1996 1995〜1996 1996〜2001 1997〜1999 1999〜2000 2002〜2004
生産台数 994 64 42
シャシー スチール製バックボーンフレーム
全長×全幅×全高(mm) 4191×1860×1110 4290×1860×1118 4225×1860×1111 4330×1860×1150 4391×1900×1164 4369×1867×1150 4414×1883×1150 4369×1867×1150 4369×1883×1150 4369×1883×1150
ホールベース(mm) 2440 2438 2173 2438 2420
トレッド前後(mm) 1511/1511 1544/1544 1524/1554 1533/1594 1529/1544 1520/1520 1529/1544 1520/1520
車両総重量(kg) 913 1139 1200 1177 1300 1215 1320 1325 1380 1229 1300 1380
エンジン 水冷直列4気筒DOHC 水冷直列4気筒DOHC+ターボ 水冷直列4気筒DOHC 水冷直列4気筒DOHC+ターボ 水冷直列4気筒DOHC+インタークーラーターボ 水冷V型8気筒DOHC+ツインターボ 水冷直列4気筒DOHC+インタークーラーターボ 水冷V型8気筒DOHC+ツインターボ
ボア×ストローク(mm) 95.29×76.20 95.29×76.20 95.29×76.20 95.27×76.20 95.29×76.20 95.27×76.20 83.00×81.00 95.27×69.20 83.0×81.0
総排気量(cc) 1973 2173 3506 1973 3506
燃料供給 デロルトDHLA45SE デロルトDHLA40 デロルトDHLA45SE デロルトDHLA45D デロルトDHLA45M デルコ電子制御マルチポイント・インジェクション シーケンシャル電子制御インジェクション デルコ電子制御マルチポイント・インジェクション シーケンシャル電子制御インジェクション
圧縮比 9.5 7.5 9.4 10.9 8.0
最高出力(PS/rpm) 162/6200 213/6000 165/6000 174/6000 218/6250 268/6500 304/6500 268/6500 304/7000 355/6500 243/6250 355/6500
最大トルク(kgm/rpm) 19.4/4900 27.6/4000 22.1/5000 22.5/5000 30.4/4250 36.1/3900 38.9/3900 36.1/3900 40.0/3600 40.8/4000 30.0/3750 40.8/4000
エンジン搭載位置 ミッドシップ
駆動方式 後輪駆動
トランスミッション 5速MT
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウィッシュボーン(F)、セミトレーリングアーム(R) ダブルウィッシュボーン(F)、ラジアスアーム/トランスバースリンク(R) ダブルウィッシュボーン(F)、セミトレーリングアーム(R) ダブルウィッシュボーン(F)、セミトレーリングアーム/トランスバースリンク(R) ダブルウィッシュボーン(F)、トランスバースリンク(R) ダブルウィッシュボーン(F)、ダブルトランスバースリンク(R) ダブルウィッシュボーン(F)、ダブルトランスリバースリンク(R)
ブレーキ 前後ディスク ベンチレーテッド・ディスク(F)、ディスク(R) 前後ベンチレーテッド・ディスク
ホイール 6JK×15(F)、7JK×15(R) 7JK×15(F)、9JK×15(R) 7JK×15(F)、8JK×15(R) 7J×15(F)、8J×15(R 7J×15(F)、8.5J×15(R) 8.5J×16(F)、10.5J×17(R) 7J×17(F)、8.5J×17(R) 8.5J×17(F)、10J×17(R) 7J×17(F)、8.5J×17(R) 8.5J×17(F)、10J×18(R)
タイヤ 195/60HR14(F)、205/70HR14(R) 195/60VR15(F)、235/60VR15(R) 215/50ZR15(F)、245/50ZR16(R) 245/45ZR16(F)、315/35ZR17(R) 215/40ZR17(F)、245/45ZR17(R) 235/40ZR17(F)、285/35ZR18(R) 215/40ZR17(F)、245/45ZR17(R) 235/40ZR17(F)、295/35ZR18(R) 235/40ZR17(F)、285/35ZR18(R)
乗員定員(名) 2



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