Khamsin
マセラーティの最上級モデルであるギブリの後継車として、1972年のトリノ・ショーで発表されたFRモデル。
開発コードはティーポ120で、カムシンはアラビア語で「サハラ砂漠を吹き渡る熱風」の意。
デザインは、それまでマセラーティのボディを担当していたギア社がフォード傘下になったため、ベルトーネに依頼。
実際にデザインを担当したのは、マルチェロ・ガンディーニ。ウエッジシェイプの独特なデザインのボディは、
リアデッキが高く、後方視界確保のためにエンドパネルがガラスになっている。
2550mmのホイールベースはギブリと同じだが、リアのトレッドを広げることにより、+2のスペースを確保している。
基本コンポーネンツはギブリと共通であり、最上級モデルということで、ボーラには与えられなかった
320PSを発揮する4931cc水冷V型8気筒DOHCエンジンをフロントに搭載。最高速度は275km/hを誇る。
ミッションは5速MTと、ボルグワーナー製3速ATが用意されていた。
ボーラで採用されたブレーキやシート以外にも、パワーステアリングなど、当時の親会社だった
シトロエンが特許を持つハイドロニューマティックが多数導入された。
後期型は、フロントのエンブレムの前に、エアインテークが追加された。
運悪くデビュー時は第一次オイルショックと重なり、1982年までに421台が生産されただけで終わってしまった。




スッキリした前期型ノーズ


左右2灯式のヘッドライト


左右非対称のスリット


15インチの前後ホイール


かなり窮屈なリアシート

右リアにある給油口

透明なリアエンドパネル

リアエンドのエンブレム


■Specification
発表年 1972
生産年 1974〜1982
生産台数 421
シャシー 鋼管スペースフレーム
全長×全幅×全高(mm) 4394×1768×1194
ホールベース(mm) 2550
トレッド前後(mm) 1440/1440
車両総重量(kg) 1680
エンジン 水冷V型8気筒DOHC
総排気量(cc) 4930
最高出力(PS/rpm) 320/5500
最大トルク(kgm/rpm) 48.8/4000
エンジン搭載位置 フロント
駆動方式 後輪駆動
トランスミッション 5速MT/3速AT
最高速度(km/h) 275
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション 前後ダブルウィッシュボーン+コイル
ブレーキ 前後ディスク
タイヤ 215/70VR15(F/R)
乗員定員(名) 2+2

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